スタッフボイス

作、演出の 本宮あきらに聞いてみた  <<聞き手製作 SAGGY>>

 

Q:構想5年とかって言ってるけどそれ本当? ホントは5ヶ月ぐらいじゃないの?

 

本宮 

構想自体は実はもっとずっと古くて、多分2004年頃から考えていた話です。

2002年に元々やっていた劇団が解散して『もう舞台はいいや』って思ってた時期で

それまでいろんなものを書いてはきたけど、考えてみたら恋愛を軸に書いた話って

それまで一つしかなくて、もっかい書くならそういう『愛』をテーマに書きたいなって思っていたんですね。

ありふれた題材ですけど、ありふれてるってことは、それだけ魅力のあるものってことなんですよ。

 

Q:どうして今までやらなかったものを今やるの? 

 

本宮

メンバーが揃うのを待っていたというか、実はやるつもりなかった(笑)

千里、さくらっていうのは魅力のある女優にやって欲しかった。この二人が作品の肝なので。

そもそも、昔一緒にやってた女優さんでお気に入りの人がいて 千里はこの人、さくらはこの人

って決めてたんだけど二人とももうお母さんなので、この演目が日の目を見る日はないなと(笑)

四年前、梅ちゃん(梅本)が客演に来たときに『まだ下手だけども、この娘は千里の顔だ』って

(いまは相当よくなりましたよ)思って少し可能性が出てきて、

舞子(新明)が来たときに『さくらはこいつしかいない!』って思って

そこから、実現にむけてゆっくり動き出したみたいな。この二人ならいけるな~って思ったのが

二年前の『ヤツが来る』 の再演のあたりで、他にいろんな人こーちゃん(石原)とか坂井くんとか

シンヤ(寺嶋)とかニカちゃん(二階堂)とか、ねーちゃん(飯田)……まぁ、今回のメンバー全員(笑)

がそろってきて よし! やろう! みたいな、でも発端は梅ちゃんと舞子の二人かな。

 

Q:お気に入りの女の子に囲まれて平太をやりたかったというわけ?

 

本宮

否定はしない(笑) っていうのは冗談で、ぶっちゃけ俺が平太ってのはただの我侭。

『今回は演出に専念でもいいかな』って思ってたら、座長が『今回ぐらい我侭に行け』って

まぁいつも我侭放題なんだけども、今回も甘えさせてもらっちゃった感じですね。

前回も主役やってるし、もうしばらく主演はないんじゃないかと思います。

同じ人がずっと主役だとどうしても作品の色が似てくるし、他にも面白いヤツはたくさんいるんで

しばらくは 飲み屋のオヤジとか責任のない役をやりたい。

そんなワケで今回は死ぬ気でやります(笑)

 

Q:話変わって、今回の作品のテーマは?

 

本宮

『愛ってどれだけ強いんだろう?』ってこと。

演劇活動とは別に、ライトノベルをちょっと書く機会が出てきて、それはしばらくうっちゃってあるんだけど

そのときに ふっと出てきたフレーズで

『好きっていう気持ちは、わかって欲しいという想いと、わかりたいという想いで出来ている』

というのがあって。お、なんか俺名言臭いこと書いてんな~って思って。

それを一番具体化してる話が千里と天の邪鬼だった。この話って

どうあっても一緒になれない二人が、どうにかして一緒になろうとする話だから

ファンタジーですけど、そういう愛の強さってみんな実感したことがあるんじゃないかと思うんですね。

例えば遠距離恋愛だったり、親の反対だったり、お金の問題だったり。

それを乗り越えようとするときになんか強さみたいなのが出てくる。

恋に酔ってる状態とでもいうか(笑) その酔っ払った状態ってすっげー強いと思うんですよね。

だって、二人が諦めなきゃ負けないから。 そういう強さ、何が何でも一緒になろうとする強さ。

そこを見て欲しいかなと。

 

Q:なんか、本宮さんの話とは思えない真剣さだけど?

 

本宮

根がちゃらんぽらんな人間なんでやっぱり笑いは多いですよ。

大事な部分は端々に垣間見えるぐらいで、真剣に愛に向き合うと照れくさいし

もういい、大人なので。中二病患者ではあるのだけど(笑)

 

Q:それを聞いて安心しました。じゃぁ見に来てくれた皆さんにメッセージとかあったら。

 

本宮

なんか難しいことは考えないで笑って、楽しんでください。こっちはそのために作ってますんで

この舞台をみて人生変わりましたとかとんでもないこと言われても責任とれないので(笑)

あと、タオルとガチャガチャを全種類そろえると……劇団が潤います。

 

Q:結局金かよ!

 

本宮

真面目なことを五分もいったらもう限界です。

とりあえず、楽しんでみてください、終演後客席に皆さんの笑顔がありますように!