【 眠れる月の吸血鬼 特設サイト(登場人物) 】

【 物語 】

『神は命を懸ける価値のある、たった一つの大切な物を与えてくれる』

 

その言葉を聞いた吸血鬼の王は、それを探す旅に出る。

行き着いた先は日本の島原、そこには廃城を管理するおばさんがいた。

名前は『月乃』誰にでも優しく、親切な彼女と楽しい日々を過ごす。

だが、それは長くは続かなかった。神の信徒と農民の一揆を駆逐すべく幕府兵が城に迫る。

彼女は『大好きな皆』を守れなかった。絶望の中、永遠の命を手に入れた月乃は決意する。

 

『幸せになろう。たった一つの大切な物を探しに行こう』

 

それから四百年。月乃は相変わらず管理人のおばさんだった。

小さなアパートで、奇妙な住人達と楽しく暮らしていた。

しかし彼女はまだ『たった一つの大切な物』を見つけていなかった。

「僕ならそれを、貴女にあげられるかもしれません」

思わせぶりにそういう男は予備校教師、四十歳独身。

初めての恋の予感に浮かれる月乃に化物の影が静かに忍び寄っていた……。

 

吸血鬼! 魔法!! 超能力!!! そして恋!!!!アラサー劇団が

『中二病全開』で挑むベテラン熟女のファンタジックホラーラブストーリー。

 

貴方も『たった一つの大切な物』を探しに来ませんか?

【 人物紹介 】

=原城の人々=

月乃(つきの)

 

1599年生まれ 江戸初期の一国一城の令で廃城になったしまった原城を管理しているおばさん。

昔は美人で、土地の大名の側室だった過去をもつ。

知的で活動的、誰とでもすぐに仲良くなる社交的な性格。

 

ジョルジオ神父(じょるじおしんぷ)

 

1611年生まれ、幼いころローマに渡り、カトリックの洗礼を受ける。

後、宣教師として帰国。

物静かで穏やかな一方で悪いことには武力で立ち向かうことも辞さない激しい一面も持つ。

日本名、陽二郎(ようじろう)

 

=闇の眷属=

不死王(ノーライフキング)/太陽

 

名前、生年、出身、全てが不明。絶大な魔力を持ち、闇の世界の頂点に君臨する吸血鬼。

無敵の力を持ちながら富や権力、道徳行為には関心がなく、己の価値観に従ってのみ生きる。

『意志のあるものは所有できない』というのが口癖であり彼の信念。

彼が『たった一つの大切な物』を探しに日本を訪れ、月乃に出会った時から物語は大きく動き出す。

自分に『太陽』という名前を与えてくれた月乃を好ましく思っている。

 

火星(マルス)

 

紀元前五世紀のギリシアの都市国家の王、自軍の何百倍もの敵軍を食い止め、人民の盾となって戦死。その生涯を気に入った不死の王は彼を吸血鬼に変えた。

不死の王の側近。法と規律を重んじる正義の人。外見に似合わず、たまに面白いことを言う

……女性が苦手。

 

冥王(クロノス)

 

五世紀のブリテン王に仕える円卓の騎士の一人だったが、権力を欲し王と対立

一騎打ちの末、彼を道連れに絶命する。飽くなき権力欲を好んだ不死の王は、彼を吸血鬼にする。

狡猾で知恵のある人物で、どんな手を使っても、欲しい物を手に入れる性格。

ブリテン島に居を構え今日も謀略を巡らせている……意外と日本のオタク文化に詳しい。

 

人狼(シリウス)

 

七世紀頃から、中国で生きていた武術家。大陸に並ぶものはない力を手に入れるも、より高みを目指すため不死の王に挑み、一方的に殺戮されてしまう。

王の気まぐれからか不死の体を授けられ、故郷中国で、飽くなき修行を続けている。

力は強いが、頭は弱く仲間達にからかわれている。ワン公と呼ばれると激怒する。

 

金星(イシュタル)

 

四世紀後半に世界を旅して回っていたロマ族(ジプシー)行く先々の権力者の寵愛を受けるが誰にも所有されず、自由を貫いたため最終的には処刑されてしまう。

直後、不死の王が彼女を『死』からも自由にした。好奇心旺盛だがとらえどころのない人物。

新大陸アメリカに住んでおり、原住民の方々と仲良く生きているらしい。

好きな言葉は『変革(イノベーション)』と『自由(リバティー)』あと『現金(キャッシュ)』

 

紫苑(シオン)

 

11世紀のトランシルバニアで魔女狩りに会い。殺されてしまった不遇の少女は不死の王により吸血鬼になった。不死の王が生み出した最後の化け物であり、王に娘のように愛されている。

他の吸血鬼とは違い特に何もせず本を読んだり、お菓子を食べたり、だいたいブラブラしている。

嫌いなものは人間。好きな食べ物は肉。

 

衛星(ガニメデ)

 

不死の王ではなく、冥王クロノスによって闇の力を得た彼の執事。ブリテン島をこよなく愛す。

紅茶と可愛い女の子が大好き、奇妙だがどこか憎めない人物。

といっても善人というわけでもなく、いずれは自分も大陸を総べる化物になりたいという野望を持っている。

座右の銘は『寄らば大樹の影』

 

=原荘の人々=

日ノ下十夜(ひのしたとうや)

 

1973年生まれの40歳。高校教師、一般的な家庭生まれ普通に育つ。

都立東千住高校の教師、最近は生徒の扱いに悩んでいる。未婚なのも悩みの種。

担当教科は国語(現国)好きな芸能人はきゃりーぱみゅぱみゅ。

 

河原撫子(かわはらなでしこ)

 

1998年生まれ16歳。東千住高校に通う女子高生。父はカルト教団教祖で死刑囚。

母は行方不明。父の犯罪のせいで悪魔の子と呼ばれいじめられて育つ。

月乃の誘いを受け、原荘で十夜と同棲生活をすることに。

 

秋山竜胆(あきやまりんどう)

 

1980年生まれ34歳。オカルト雑誌ザ・フリークスの編集長。

超常現象や民間神話などに造形が深く、本も何冊か出版しているその筋では有名人。

厄介ごとに首を突っ込みたがる困った性格の持ち主。

 

野芥子真夏(のげしまなつ)

 

1991年生まれ24歳、名家の令嬢だが高校時代に不登校になり、一家の恥と罵られた。

家出中の漫画喫茶で秋山に拾われる。現在はコスプレ衣装を制作販売して生計を立てる。

普段は内向的だがオカルト系のコスプレをすると性格が変わる。

 

恐山鈴蘭(おそれやますずらん)

 

1987年生まれの29歳、青森県むつ市出身、子供のころは神童と呼ばれたが東都大学の受験に失敗。

それから転落人生が始まる。有能なはずだが極端に本番に弱い、浪人九年目。神経質で口うるさい

 

景浦石蕗(かげうらつわぶき)

 

1993年生まれの21歳。子供の頃両親と死別。施設で育つ。

18歳で独立し、働きながら都内の大学の二部に通う苦学生。

趣味はゲーム。原荘唯一のオカルト嫌い。

 

=語り部=

白星(しらほし)

 

不死の王の血を飲んだことがきっかけで14世紀から生き続けている不老不死の猫。

変化を起こし人間の姿を取っている。月乃の家政婦を自認しているが、知能は猫のままなのであまり役には立っていない様子。好きな物は魚介類とぜんまい式の玩具。

この物語の全ての目撃者で、語り部。